川口由一さんの実地指導

2005年10月9日の指導の一部です。

この日は、全国実践者の集いがここ赤目で行われました。赤目での集合日の学びを、全国からの参加者の方々に見ていただきました。

稲刈りです。この日は稲刈りには早すぎますが、実習のため稲刈りを行いました。稲刈りの適期は、稲穂が稲穂の先から3分の2までが枯れた状態で、1株の3分の2がその状態で、なおかつ、田全体の3分の2がそうような状態になったときが、適期です。ほんとうは、全て枯れて完熟した状態が一番よいのですが、稲穂が切れてうまく脱穀できない、脱粒が多い等で、上記の状態がベストです。 株の大きさによって、6株から9株を1束にします。2,3株を刈って、写真のように扇型に重ねて置きます。
 
3列を刈って行きます。川口さんは右利きで、右側から刈って、左側に刈った稲を置いていきます。このように流れるように作業を行います。農作業は単純な作業の繰り返しですので、例えば、刈った稲を右側に置くと余計な無駄な動きが入りますので、作業時間が大幅に遅れます。 株の大きさによって、2〜3株を刈って置きます。
 
次に、2〜3株を写真のようにクロスさせます。 最後に、まん中に置きます。これは、稲束を2対1に分けて稲木に掛けますが、2対1に分けやすくするためです。
 
横の列に移ります。今度は、4株づつ刈って行きました。写真のように、前の列で刈った稲束と、人が通れる間隔をあけて、刈った稲を並べていきます。
 
見学者から、草が多くて刈りにくい場合の刈り方の質問が出ましたので、草の多い場所での刈り方の実習です。草の中の稲株だけをつかんで刈ります。この場所では、刈った稲を右側に置くスペースがないので、後ろに並べていきます。 刈った稲を後ろに置いていきます。右側に置くのと比べると、作業能率は落ちます。
 
括るための藁を3〜4本、ななめに置いていきます。 藁は、写真のように根元の方を右手で、先の方を左手で持ちます。
 
右手を手前にして、上から被せます。 両手はそのままで、ひっくり返します。
かるく締めます。 時計まわりに、左手は固定して1回転させます。右手は、一度離します。
 
最後に、親指で藁(根元の方)を押し込みます。 稲木に掛けるときは、このように2対1に分けて掛けます。
 
この方向で、括る場合は、両手で上から被せた後、右手を離して、左手でひっくり返して、後は、同様にして括っていきます。 稲木を立てるため、稲束を移動させます。
 
稲木は、南北の方向に立てます。南北の方向だと、朝日、夕日が均一に当たって、むらなく乾燥できます。 稲木は、平行に立てると倒れやすくなりますので、ハの字型に立てます。
 
槌で打ち込みます。 縄で括ります。
 
端に、支えを打ち込みます。この後、同様に縄で括ります。
 
この写真の前でデジカメのメモリカードがいっぱいになって撮れなくなりました。私の予備のメモリカードは、全国実践者の集いの宿舎になっている曽爾少年自然の家に置いてきました。前日の川口さんの田畑の見学から写真を撮っているのですが、400枚以上撮れると思っていたのに252枚でいっぱいになりました。急きょ、静岡の大池さんのメモリカードを借りて撮っていきましたが、写真がだいぶ飛んでしまいました。写真は、すずめ除けに糸を張っているところです。この前までの作業を説明すると、稲束を2対1に分けて、1を手前で掛けます。次に反対側に2対1に分けて、1を手前に掛けます。こうすることによって、4方向に稲が分かれて、乾燥しやすくなります。このようにして稲束を交互に掛けていき、最後に左右の数本の稲を結んで緩まないようにします。こうして、ここ赤目では1ヶ月くらい干します。海の近くで、潮風の当たるような地方では1週間くらいと短くなります。 裏作の裸麦の播種です。赤目では適期は11月で、少し早すぎますが、実習のため播種しています。
 
こちらは、チンゲン菜の種まきです。 種を播いた後の、裸麦の方の草刈りです。草刈りをすることによって、種を落着かせます。収穫までの1回きりの草刈りです。小さな冬草が既に芽を出していますので、丁寧に除草します。特にカラスのエンドウは丁寧に刈ります。 
 
先月、播種しただいこんの間引きです。15センチ間隔くらいに間引いています。 白菜の間引きと補植です。先月、点播(5粒)したところを1株にします。消えてなくなっているところがありましたので、そこには移植しました。
 
ブロッコリー、キャベツの植え付けです。苗床に育っていた苗を移植しました。 この日は、全国実践者の集いで、合計300人くらいの参加者がありました。