川口由一さんの実地指導

2009年11月8日の指導の一部です。

先月行った稲刈りの復習です。稲刈りの適期ですが、稲穂の先端から稲穂の茎の部分の3分の2くらいが黄土色に枯れてきて、一株の3分の2の稲穂がそのような状態で、なおかつ、田全体の3分の2がそのような状態になった時が適期です。田んぼの面積が小さく、すぐに刈れる場合は、4分の3がそのような状態になったときが適期になります。それ以上遅れると、稲藁に力がなくなり、脱穀する時に、穂先が折れてうまく脱穀できませんし、脱粒も多くなります。稲藁に力があるうちに脱穀するようにします。 右利きの場合、作業の効率を考えて、右から左に刈って、左側に置くようにします。ここの稲は、株がやや小さめだったので、3株を1度に刈って、左側に置いています。また、稲が、倒れかかっている場合、手前に倒れかかっていると作業がしにくいので、向こう側に倒れかかっている位置で作業をします。
 
2回目に刈った稲をクロスして置きます。 3回目に刈った稲をその真ん中に置きます。このようにすることによって、はざ掛けするときに2対1に分けやすくします。また、このように扇形に広げることによって、稲穂が多少湿っていても乾燥します。
 
横の列を刈る場合は、次の作業を考えて、人が通れるように置いていきます。 結束用の稲藁を4本くらい、斜めに置いていきます。
 
稲束の結束です。手のひらを上にして、右手に藁の根元の方を持ちます。 右手を手前に、上から被せます。
 
左手だけで持って、右手は持ちかえます。 時計周りに絞めつけます。
 
時計周りに絞めて、手をクロスさせます。 右手を離して、持ち替えます
 
親指で、稲束を押して、へこませて、 親指で、押し込みます。
 
出来上がりです。 はざ木にに掛けるときは、2対1に分けて掛けるようにします。
 
次の作業を考えて稲束を移動しますが、右脇に6束、左手に3束持って運びます。このように効率よく作業を進めます。 稲木を南北の方向に立てます。詳しくは、先月号をご覧ください。
 
稲束を2対1に分け、1を手前に交互に掛けていきます。 最後に、すずめ除けの糸を張って、完了です。
 
稲刈り後の小麦の種まきです。小麦の播く量ですが、100u当たり、8合です。きっちり田んぼの面積を測ってその割合の量を播くようにします。多すぎても、少なすぎてもマイナスです。小麦は、10月でも12月でも播くことができますが、11月が適期です。 次に草を刈りますが、今、種が付いているような草は、夏草でもうすぐ枯れるので問題はないのですが、芽が出たばっかりの、カラスノエンドウなどの冬草は、きっちり刈らなければなりません。
 
草を丁寧に刈ります。この作業によって、種が落ちつき覆土もなされ、草の被覆によりすずめの被害も免れます。後は、収穫まで何の作業もしません。 えんどうの種まきです。大根のバラ播きをした畝にえんどうを播きます。大根は冬の間に収穫するので、問題はありません。
 
株間40cmくらいに、鋸鎌で植え穴を掘ります。 えんどうを5粒播きました。芽が出ても間引きはしません。
 
指で、2,3cm押し込んで、埋め込みます。草を被せて完了です。通常覆土は、種の厚さが、適当ですが、土が柔らかく、ふわふわしているので、深い目にしています。 小豆の収穫です。小豆は鞘が枯れたまま放っておくとかびるので、鞘が枯れたものを、畑に行くたびに収穫するようにします。収穫したら、槌で叩いて、豆にして、2,3日天日乾燥させて保存するようにします。
 
脱穀です。足踏み式脱穀機で脱穀します。
 
篩にかけます。多くの量を篩にかける場合は、腰に負担がかかるので、篩を紐で吊っておこなうと楽にできます。 篩で大きな藁屑を取り除きます。
 
この藁屑に、籾が混ざっているので、槌で叩いて分離し、再度篩にかけるようにします。
 
ござを4つに折って、唐箕に運びます。 唐箕に籾を入れます。
 
唐箕にかけて、小さな、藁屑を飛ばします。
 
脱穀完了です。 実習畑の様子です。
 
玉ねぎの植え付けです。つるありいんげんの後に植え付けます。 草を刈ります。根元から刈りました。
 
3条に植え付けるので、紐を3本引っ張っています。 株間15cmくらいで、1.5cmくらいの深さに植え付けました。