川口由一さんの実地指導

2007年12月2日の指導の一部です。

稲の裏作の葉物(写真は菜花)です。このように、稲の裏作に、麦のほか、葉物、たまねぎ、えんどう等が栽培できます。 先月に続いて、脱穀の指導です。穂先の方から脱穀していきます。
 
裏返して、裏面も脱穀します。 本来は、2人で作業を行います。2人で脱穀機をこいで、補助する者が、稲束を手渡します。
 
ある一定、籾がたまったら、受けていた箕を取り出します。 ふるい(とおし)にかけます。
 
ふるいは、普通は2人で行いますが、1人で行う場合は、片側をひもで吊って、作業をすると、楽に作業することができます。 ふるいを通らなかった藁くず等を、ござに取り出します。
 
まだ、籾がついているので、槌で叩いて、籾を落とし、再度ふるいにかけるようにします。 小さなふるいを使う場合は、片側をひもで吊らなくても、さほど腰に負担なしに1人でも作業することができます。
 
ふるいにかけた籾のござのたたみ方です。 2重にたたみます。
 
もう片側は一重にたたみます。 上から3重になったところをつかみます。
 
箕に移します。 唐箕に入れます。
 
唐箕にかけますが、この籾は、赤米で、籾にのぎ付いており、すべりが悪いので、手を入れて、籾を下に送るようにしています。 籾にのぎが付いているので、すべりが悪く、出口で引っかかっています。のぎのない、うるち米、黒米等はこのようにはひっかかりません。
 
脱穀完了です。 袋に入れて完了です。
 
稲木の後片付けです。支えの杭は縄をほどきますが、写真の受けの2本の杭は、縄をつけたまま抜いて保管するようにして、来年、この縄を付けたままの状態で使用するようにします。 杭の先が湿っているので、このように杭の先を上にして立てておき、乾燥するようにします。小屋にしまう時は、湿った杭の先の方を外側にして空気によく触れるようにして、よく乾燥するようにします。
 
稲藁を田んぼに戻します。この場所は先月小麦を播いてあります。その上から稲藁を撒いています。※裸麦を播いた場合は、在来農法では、@霜柱が立って麦が浮き上がる。A踏むことによって脇芽を出させる。の理由で麦踏みを行いますが。自然農では、@藁を田に戻す。亡骸の層ができている等で霜柱が立たない。A脇芽を出させる必要がないように多いめに種を播く。の理由で麦踏みは行いません。 小麦の種播きです。播く量は100u当たり8合です。草の上から播きます。この場所は、実習田ではなく、塾生が借りている田ですが、山側で湿気が多く、昨年は、ほとんど小麦が育ちませんでした。周りの溝の掘り方を考えて湿気対策するとのことでした。
小麦を播いた後、からすのえんどう等の冬草を刈ります。茎と根の接点をきっちりと刈ります。 この田んぼは、地主から借りて2年目で、草の亡骸の層ができていませんので、草刈りに時間がかかりますが、5年から10年たって、亡骸の層ができれば、草刈も早く楽にできるようになります。
 
刈った草をその場に被せます。 小麦の種まき完了です。これで、来年6月の収穫までは何の作業もしません。
 
先月播いたえんどうが発芽しています。来年の2月に支柱を立てますが、それまでの間、笹の枝を苗の5cmほど横に立てておきます。えんどうのつるを笹の枝にからませるためと、小鳥がえんどうの芽をついばむのを防ぐためです。 先月に続いて、今月もえんどうの種を播きます。株間40cmくらいに鎌を使って植え穴を掘ります。
 
5粒播きます。芽がでた後も間引きはしません。 2cmくらいの深さの覆土にして、草を被せます。
 
山東菜等の葉物の葉の色が薄く、養分不足ぎみなので、ぬか、油粕半々の補いをします。葉に直接かかっては、葉を傷めますので、間、間に撒くようにします。 たまねぎの補いです。たまねぎの場合は、広葉ではないので、ぬか、油粕半々を全体に撒きます。