川口由一さんの実地指導

2013年2月10日の指導の一部です。

2月は、赤目自然農塾の始まりの月です。今年で23回目を迎えます。 自然農で使用する道具の説明です。まず、鎌ですが、鋼製の鋸鎌を使用し
ます。ステンレス製は錆びませんが、滑って切れ味が劣ります。
 
この鎌は、払いながら草を刈る鎌で、頻繁に刃を研ぐ必要がありますし、草を
掴んで刈る場合、よく手を切ることがありますので、鋸鎌が安全です。
次に、クワですが、写真のように、刃と柄の角度が、90°、60°、45°くら
いのものがありますが、真ん中の60°ぐらいのものを選びます。
90°ぐらいのクワは、開墾用です。45°ぐらいのクワは、畝作り、溝の土
上げ用です。60°ぐらいのクワが万能です。
 
柄の長さは1m20cmから1m40cmくらいで、刃が厚く、重いめの、鍛冶屋
さんの作った鋼鉄製で、刃が擦り減ったときに付け替えができるものが、
最良です。このようなクワは、赤目の近辺では、国道165号線沿いの井上
植物園(名張市)、あるいは、福岡県のみみず屋さんで売っています。重い
クワは、作業はクワがするので、その重さを利用してうまく働かせます。軽い
クワは、あまり仕事をしてくれませんので、すぐ疲れます。
最後に、スコップです。スコップは木の柄の大きなものを選びます。小さなス
コップもありますが、小さなものでは、仕事をしてくれません。また、金属の柄
もありますが、木の柄のものを選びます。
 
畑の畝立ての実習です。この場所は、1年以上放置されていて、笹がいっぱ
い生えています。
まず、笹を刈ります。
 
笹は、足元から地面すれすれに刈っていきます。 地面すれすれに刈ります。笹はすぐに伸びてきますが、年に3回くらいかると、
一気に弱ります。
 
元の畝の姿が見えてきました。
 
こちらの畝は畝幅2m弱くらいに整えます。畝幅2m弱に紐を引っ張ります。 掘った溝の土を畝に敷きますが、被せる土とサンドイッチにならないように、
草が残っていれば刈るようにします。
 
紐に沿ってスコップの刃を入れます。 溝幅40cmくらいに反対側にもスコップの刃を入れます。
 
土を畝に掘り上げます。
 
掘り上げた土は砕いて、畝をかまぼこ型に仕上げます。 補いに、ぬかを撒きます。
 
土を裸にしないように、草を被せます。 完了です。
 
こちらは、1m幅くらいの畝が3本ありました。真ん中の畝を整えます。畝幅に
紐を引っ張ります。
紐に沿ってスコップの刃を入れます。
 
反対側に溝幅30cmにスコップの刃を入れます。 土を掘り上げます。
 
掘り上げた溝土の半分は、真ん中の畝に、半分は他の畝に掘り上げます。 掘り上げた土を、クワで砕きます。
 
クワの側面を使ってさらに細かく砕きます。畝は、かまぼこ型に仕上げます。 土を裸にしないように、草を被せます。
 
補いにぬかを撒きます。先程は草を被せる前にぬかを撒きましたが、どちらが
先でもかまいません。
ぬかが草の上に乗っかっていますので、鎌の裏面で叩いて落ち着かせて、
仕上がりです。