川口由一さんの実地指導

2004年4月11日の指導の一部です。

今日は、稲の苗代づくりの指導です。川口さんの著書「妙なる畑に立ちて」では、苗代の準備は冬に行っており、冬の間に、田んぼの表面を薄く削って、ぬかをふりまいて、準備をしていますが、自然農を何年も行っていると、だんだん土地が肥えてきて、この方法だと栄養過多で稲の苗が発育障害をおこすので、今は、下の方法に変えているそうです。自然農に切り替えて1、2年の田んぼだと上記の方法でもかまいません。 

お米の籾おろし、苗代づくりです。苗代の大きさは、1反(1,000u)の水田で、巾1.4m×長さ18m、籾の量は7合です。その割合で苗代をつくります。つくる場所は、棚田では谷側の乾燥した場所を選びますが、今回は、山側の床が高くなっていましたので、床を少し下げるために、山側に苗代をつくりました。また、小麦が植わっていたので、できるだけ小麦を残すために、巾1mで苗代づくりをしました。まず、除草です。 籾の量は、ここ赤目では、早稲種から中性種を作付けしますので、株間40cm×30cmで1本植えの場合で、7合ですが、もっと暖かい地方では、晩生種で株間40cm×40cmで1本植えで、5合で十分だそうです。
写真は、水を張ったバケツに籾を入れて、浮いた籾を取り除いているところです。塩水につける方法もありますが、塩害等も考えられますので、水で十分だそうです。また、事前に1週間ほど流水に籾をつけて発芽を促進する方法もありますが、それも必要ないそうです。その場で、水につけて、沈む籾だけを、水を切って播きます。
 
くわで表面の草を削り取り、夏草の種を取り除きます。 土を2,3cm耕起します。今回は、もぐらが入って、土が浮いていましたので、少し深めにくわを入れて、修復しています。
 
くわの側面を使って、土を細かく砕いています。 くわの裏を使って、平に鎮圧します。でこぼこだと、覆土の厚さが一定でなく、覆土の厚いところは、発芽しにくくなります。
 
きちんと平に鎮圧します。 籾を播きます。手の中で籾を踊らすように、少しずつ播きます。
 
籾どうしが、ひっつているのを離します。2,3cm間隔くらいにします。 もぐらよけと覆土用の土用に溝を掘ります。
 
表面の土は、夏草の種が混じっているので、それは避けて、下の土を覆土にします。 籾が見えなくなる厚さに、覆土します。
 
乾燥を防ぐために、くわを使って鎮圧します。 草を撒きます。
 
サイドももぐらよけに溝を掘ります。手前は水路がありますので、溝を掘っていません。 すずめよけにわらを撒きます。長いものはくちばしに絡み、すずめがいやがります。
 
 
民家が近いと、猫が用をたしたりしますので、その対策に笹の枝を被せます。 里芋の植え付けです。30cm間隔くらいにくわで植える場所の草を削り取ります。
 
スコップで深く植穴の土をほぐします。 少し深い目に、5cmくらいの覆土で植え付けます。里芋は種芋の上に親芋ができその上に小芋ができますので、深く植えて、芽が出て少し成長してから土寄せして小芋を太らせます。昨年はスコップで穴を掘ってからもっと深く植えましたが、雨が多く、水がたまっていくらか腐ったので、今年は少し浅めに植え付けています。
 
 
草を被せます。 トウモロコシの種まき。草の中に30cm間隔くらいに3粒播きます。写真はコウタイサイの種を取るためその株を残し、その間に種を播いています。
 
先月種蒔きしたダイコンの手入れです。草が新芽に被さってきていますので、草を刈って、ぬか油粕半々を補いに撒いています。 瓜類の種蒔きです。先月鞍築きしたところを少し表面をほぐします。
 
鎮圧します。 きいまくわの種を5粒くらい播きます。この日は種が多かったので10粒播きました。最後は1株を残して他は間引きます。他の場所は、あおまくわ、かぼちゃ、冬瓜を同様に播きました。
 
草を被せます。 硫酸紙のキャップを被せるため、笹の茎を逆U字形に十字にさします。
 
硫酸紙のキャップを被せます。赤目は14年目になりますが、硫酸紙のキャップを使ったのは初めてだそうです。川口さんは昔スイカを畑一面で作っているとき、この硫酸紙を使っていたそうです。ビニールだと苗が生長してビニールに触れると葉が焼けるそうですが、硫酸紙だと苗が傷まないそうです。苗が大きくなると硫酸紙を破って上に伸ばしてやります。(4月13日の更新の時、硫酸紙のキャップをセロファンと説明していましたが、名張のフクタ農園に買いに行ったら、セロファンではなく硫酸紙とわかりましたので訂正させていただきます。) つるなしいんげんの種蒔き。くわで20〜30cm間隔に土を削り、2粒づつ播いていきます。