川口由一さんの実地指導

2006年4月8日、9日の指導の一部です。

4月8日(土)の共同作業です。塾生の水田が不足ぎみなこともあって、この4月から実習田の一段上の地元農家の方の水田を自然農塾で借りることになりました。800uくらいあると思います。この日の共同作業は水田の畝作りです。4m幅に畝を作ります。 溝幅は40cmにしています。溝土は、左右の畝の低い場所に砕いて、敷きます。このあたりは中山間地の水田で、耕作土が20cmくらいの厚さで、それ以上深く掘ると床を破るのであまり深く掘らないようにします。なお、川口さんの桜井の平地の水田では、耕作土は30cmくらいあるそうです。
周囲の溝掘りです。周囲は50cm幅で掘ります。 みんなで、溝を掘りました。
 
一番端は、畑にすることにしました。 4月9日(日) 苗代作りの実地指導です。種籾の量は、1反(1000u)当たり7合です。100uだと、7勺(0.7合)です。この割合で籾の量を用意します。これは、筋間40cm、株間20cmくらいの量で、地力がついてきて、株間を30〜40cmくらいで植え付けると、もっと少なくてすみます。
 
水選します。水に浮く籾は、取り除き、水に沈むものだけを播くようにします。 ざるに取って、乾かしておきます。
 
苗床の大きさは、1反(1000u)当たり1.4m×18mです。100u当たり1.4m×1.8mです。その割合で苗代の大きさを決めます。1.4m幅の理由は、除草をするときなどに手の届く範囲だからです。 苗床の大きさが決まったら。草を刈ります。ここは、小麦が生えていますが、ここに苗床を作りますので、小麦は刈ってしまいます。
 
表面の土を、削り取って、草の茎、根、夏草の種を取り除きます。 次に少し耕起しますが、くわを入れている辺りは、もぐらでぼこぼこになっていましたので、少し深く耕起します。手前の方は、もぐらに荒らされてなく、土も柔らかいので、耕起しません。
 
くわを使って、土を細かく砕きます。 くわの裏を使って、鎮圧します。平らにすることによって、覆土が均一になるようにします。
 
籾を播きます。手の中で、籾を踊らすようにして、播くようにします。 2〜3センチ間隔になるように、ひっついているのは、離します。苗半作と言いますが、丈夫な苗を育てるために、ここは丁寧に作業します。
 
 
仕上がった状態です。 もぐら除けに、溝を掘ります。
 
覆土は、普通この溝の土の底の、夏草の種の混じっていない土を、覆土にしますが、この日は、土がべとついていましたので、中止しました。 ここは、昨日、掘った溝の土ですが、ほどよく乾燥していましたので、ここの土を覆土にすることにしました。このように、臨機応変に対応します。
 
籾が、見えなくなる程度に覆土します。 乾燥を防ぐために、鎮圧します。
 
夏草の種の混じっていない、先ほど刈った、小麦等の青草を被せます。 草の量が足りなかったので、今回は、この場所に敷いておいた、藁を短く切って、被せました。青草が充分にあれば、藁は被せる必要はありません。お米の籾降ろしの、適期は4月15日から20日くらいなので、その頃には、もう少し青草が確保できると思います。
 
次に、猫等の獣害除けに笹等を被せておきます。 この日は、最後に、水を撒きました。これは、日本の気候では、必要ないのですが、ここ赤目の塾生の苗床は、50cm×50cmくらいの小さな苗床が多く、乾燥しすぎて、発芽がよくないところもあったので、今回初めて、水を撒きました。この後、もう一面、もぐら除けの溝を掘って完了です。
 
この日は、苗代作りの指導が、午前中いっぱいかかりましたので、野菜の植え付けの実地指導は、午後になりました。私は、午後から、田畑を回る役目がありますので、澤井久美さんに、撮影をお願いしました。で、その場にいませんでしたので、コメントは、正確性を欠いているかもしれませんが、ご容赦ください。うり類の種まきです。この日は、冬瓜、かぼちゃ、すいかの種を播きました。この畝は、畝幅2.5m〜3mくらいで2月から鞍を築いて準備していました。このような、幅広の平畝の場合は、雨が降ると、瓜類は根腐れしやすく、種を播くところに鞍を築き、周囲より高くする必要があります。少し土を耕起し、鎮圧します。 冬瓜の種?を5粒くらい播きます。
 
夏草の混じっていない土を、1ミリくらい覆土します。 次に、5ミリくらい、川砂を覆土します。川砂は、通気性がいいので、種に酸素が供給され、発芽がよくなるためで、川口さんは、専業農家の頃は、この方法を多用されたそうです。、川口さんは、川砂で覆土する方法を、よく話されていましたが、実際に川砂を使われたのは、ここ6年では、初めてだと思います。他の方法は、昨年、一昨年の4月の実地指導をご覧ください。
 
草を被せて、完了です。 こちらは、里芋の植え付けです。里芋は、種芋の上に親芋ができ、その上に、子芋ができるので、深く植えないと、出来が悪くなります。最初に、スコップで四角に30cm〜40cm間隔に穴を掘ります。そこに里芋を植え付け、芽が出て成長したら、土を穴に戻していくようにします。
 
植え付け完了です。このあと、草を被せておきます。 こちらは、穴を掘らずに、10cmくらいの深植えをしました。芽が出て成長したら、溝の土で土寄せをするそうです。
 
しょうがの植え付けです。包丁で写真くらいの大きさに切ります。玉ねぎの間に植え付けました。 植え付けです。覆土は種の大きさくらいだと思います。