川口由一さんの実地指導

2009年4月12日の指導の一部です。

たまねぎの除草です。たまねぎは背丈が低く、草にすぐ負けますので、草は、根元から丁寧に刈るようにします。 この日も、こんなに多くの方が来られました。
 
水稲の苗代づくりです。籾おろしの適期ですが、大和盆地では、トヨサト、愛知のかおり等の中手種で4月20日頃が適期で、遅くとも5月の第1週までには播くようにします。生育期間の短い早生種(黒米、陸稲等)は、4月末から5月上旬が適期です。籾の播く量ですが、1反(1000u)当たり7合。それに対する苗代の大きさは、1.2m×21mです。その割合で、苗代の大きさ、籾の量を決めます。まず、籾の水選をします。 水に浮いた籾は取り除きます。塩水選という方法もありますが、その必要はないそうです。それから、1週間ほど水に浸けて、発芽させて播く方法もありますが、播く時に雨が降ったりして播き時が遅れて支障が出たりするので、しないほうがよいそうです。
 
沈んだ籾をざるにあげ、水を切ります。 苗代をつくる部分の草を刈ります。ここは、小麦が植わっており、もったいないですが、刈るようにします。
 
草刈完了。 昨年撒いた藁が多くありますので、取り除きます。
 
くわを使うときに、手が乾燥していると、すべって使いづらいので、軍手を湿らせて、すべらないようにします。このようなちょっとしたことで、疲れ方がちがいます。 夏草の種の混じった表面の土、草の茎等をくわで、削り取ります。
 
宿根草の根がありましたので、取り除きます。
 
表面を平らに均します。土が硬かったり、もぐらの穴がある場合は、2,3cm耕起してから平らに均します。
 
平らに均したら、くわの裏を使って、鎮圧します。でこぼこのままだと、この後の覆土を均一にできないので、凹凸のないようにします。 鎮圧完了
 
籾を播きます。均一になるよう少量ずつ、播くようにします。
 
ひっついた籾は離し、2,3cm間隔になるようにします。 完了
 
もぐらの侵入を防ぐため、周りに溝を掘ります。
 
掘った溝の土を覆土に使用します。夏草の種の混じった表面の土を取り除いた部分を覆土にします。
 
籾の厚さ程度、籾が見えなくなる程度に均一に覆土をします。 覆土完了
 
乾燥を防ぐために、くわを使って鎮圧します。 青草を撒きます。
 
完了です。 もし、籾を播くのが、遅くなり、早く芽を出したい場合は、このように水をたっぷりとやります。適期の籾おろしの場合は、水は必要ありません。
 
最後に、小動物除けに笹等を被せますが、すずめの多い地域では、ネットを張るようにします。 民家の近くだと猫が入ったりしますので、笹等で防ぎます。川口さんの巻向の田んぼでは、笹ではなく、落葉樹の枝を被せているそうです。
 
完了 ここからは、昼からの実習で、私は田畑を回ってアドバイスする役割がありますので、桑山徳久さんに撮影をお願いしました。で、コメントは推測が入っていますので、ご容赦ください。里芋の植え付けです。スコップ幅に四角に穴を掘ります。
 
昨年までは、穴を掘った深いところに植え付けて、芽が出てきたら、掘り上げた土を戻して土寄せする方法でしたが、昨年2割ほど腐りがでましたので、今年は、もっと浅く植え付けるようにされたそうです。
 
草を被せて完了です。
 
ふだん草の点播です。株間30〜40cmに草を刈ります。 ふだん草の種を5,6粒播きます。
 
指で押さえ付けて、覆土します。 草を被せて完了です。
 
ふだん草の筋播きです。まず、草を刈ります。 紐を引っ張って、くわでV字型に表面の土を削り取ります。
 
くわで鎮圧します。 ふだん草の種を播きます。
 
くわを使って覆土します。 鎮圧します。
 
草を被せて、 油粕、ぬか半々の補いをして、完了です。
 
かぼちゃ、とうがんの植え付けの準備で、鞍を築きます。かぼちゃ、とうがん等のうり類は根腐れしやすいので、鞍を築いて周囲より高いところに植え付けるとよく育ちます。 ここは、笹等の根が縦横に走っているので、スコップで根を切ります。
 
根を切ったら、周囲より高くするため、土を寄せます。
 
笹等の根を取り除きます。
 
くわを使って鎮圧します。 鎮圧完了、この状態を鞍を築くといいます。
 
草を被せておきます。 補いに、油粕、ぬか半々を撒きます。種まきは後日行います。