川口由一さんの実地指導

2010年4月11日の指導の一部です。

お米の苗代作りです。チンゲンサイの菜の花が咲いていますが、ここに苗代を作ります。苗代は畑苗代で2ヶ月間は水を入れずに育てます。まず、苗代の大きさですが、1反(1000u)当たり幅1.2m×21m、100u当たりだと幅1.2m×2.1mの大きさです。幅1.2mというのは、除草作業で手が届く範囲ということです。それに必要な籾の量ですが、1反当たり7合、100u当たりだと7勺(0.7合)の量です。また、籾降ろしの時期ですが、奈良県近辺では、中手種(トヨサト)で、4月の20日から4月いっぱにかけてが適期です。また、生育期間の短い早生種(黒米、陸稲等)は、4月末から5月上旬が適期です。 籾の水選です。水を張ったバケツに籾を入れます。塩水選という方法もありますが、必要ないとのことです。
 
浮いた籾を取り除きます。
 
沈んだ籾だけをざるに取ります。 水を切って乾燥させます。
 
苗代の草刈りをします。刈った草は、後で苗代に被せます。地面際の枯草には夏草の種が混じっているので、根元の方は避けて、地面からやや上の方の青草のみを刈るようにします。 草刈り完了。
 
くわの柄の先が乾燥すると、接続部分が緩んで刃がガタついたりしますので、水に浸けて緩まないようにしていました。 くわを使わない時は、直射日光で刃が熱くならないように、草を被せておきます。
 
くわを使って、草の茎・根と夏草の種を削り取ります。 1.2m幅に削り取ります。
 
もぐらの穴が、たくさんありましたので、穴を埋め込みます。
 
平らに均します。 くわの裏面を使って、鎮圧します。凹凸をなくして、覆土を均一にするためです。
 
鎮圧完了。 籾を播きます。
 
ひっついた籾は離して、2、3p間隔になるようにします。籾同士がひっついていると苗が軟弱になりますので、丁寧に作業します。 完了です。
 
もぐら除けに、溝を掘り、その土を覆土に使います。 溝幅にスコップを入れます。
 
溝を掘ります。
 
夏草の種の混じっていない、下の方の土を覆土にします。 土をほぐします。
 
覆土は種の厚さくらい、籾が見えなくなるくらいに覆土します。厚すぎると酸素不足で発芽しません。 覆土完了。
 
次に、通常は、くわの裏面で鎮圧しますが、覆土が少し湿っていて、くわの裏に土が付くので、一部分は手のひらで鎮圧しました。他の部分は、草を被せてから鎮圧することにしました。 夏草の種の混じっていない青草をやや厚めに被せます。稲の芽は針のようにとがっていて、やや厚めでも芽が出てきます。野菜の苗床の場合は、もう少し薄く草を被せます。
 
乾燥を防ぐため、鎮圧します。 ねこが入ってしっこをしたりするので、小動物除けに小枝をさします。
 
周囲にすずめ除けに糸を張ります。 すずめ除けの糸を2,3段巻いたら、完了です。通常は、水やりはしませんが、籾を降ろす時期が遅くなった場合は、水をたっぷり与えて発芽を促します。
 
えんどうの手の作業です。2段目を作ります。縄を張って、 稲藁を結びます。えんどうのつるが稲藁に巻きついて、上に伸びていきます。
 
2段目完了です。 里芋の植え付けです。えんどうの株と株の間に植え付けました。覆土が3pくらいの厚さになるよう植え付けました。以前は、スコップで穴を掘ってかなり深いところに植え付けていましたが、湿りで腐りが出たりしましたので、この方法に改めたそうです。この方法だと土寄せが必要になります。
 
えんどうの収穫の頃に里芋が伸びてきます。