川口由一さんの実地指導

2004年8月8日の指導の一部です。 

水田最後の除草です。1列置きに除草します。除草は遅くとも盆までに行います。(早稲種の場合は7月末くらいまでに。)盆を過ぎると、幼穂を形成し、根が横に張り出し、田に入ると根を痛め、成長を阻害します。ここ赤目では、1ヶ月に1回しか来ませんので、この後、残った列も除草しますが、通常は1列置きに除草した後、しばらくして、少し草が生えてきてから、残った列を除草します。草に生かされる虫たち、虫たちに生かされる草であり、その中で稲は健康に育ちます。 幼穂が形成されると、根元の茎が扁平から丸くなりますので、茎が丸くなると田に入らないようにします。ただ、草が相当茂っていたら、草を刈ったほうが、プラスなので、根を痛めないように、地上数センチのところから草を刈り、また、一度に3列の草刈をして、左右の列には、足を踏み入れない等の気遣いをしながら、草を刈ります。まん中の列は川口さんで、手際よく刈られるので、草刈のスピードがだいぶ速いようです。
※水が豊富にあるときは、水田の水を抜いて、除草をします。特にミゾソバ、つる草等の水草の除草は、引っこ抜いてひっくり返しますが、水があるとすぐに茎から根を挿しますが、水がなければ、すぐに枯れます。 水が少ないときは、そのまま除草します。
※水田の水は9月いっぱいまで張るようにします。
 
畑の手入れです。ごぼうの除草をします。 すいかの取り入れ時ですが、茎の付け根と底が十分に凹む。付け根の茎産毛が少なくなる。底が黄色くなる。付け根のスプーン型の葉が枯れる。軽くたたいて音を聞く。等で判断します。慣れてくると見ただけで分かるようになるそうです。
 
にんじんの筋播きです。まず、紐を張ります。 くわ幅に草を取り除きます。
 
 
表面の土を取り除きます。(草の種を取り除く。) 数センチ土を耕起します。もぐらの穴等があれば修復します。
 
鎮圧して、平らにします。凹凸があると、覆土が均一にならなくなり、覆土が厚くなると発芽しません。 にんじんの種を播きます。
 
覆土用の土を用意します。くわを入れて、表土をめくり、その下の草の種の混ざっていない土を覆土にします。 数ミリ覆土します。
 
乾燥を防ぐために、鎮圧します。 草を被せます。あまり厚くなると発芽を阻害します。
 
こちらは、夏だいこんの筋播きです。こちらは、くわを使わずに鎌だけを使用します。まず、草刈をしてから、紐に沿って宿根草等の茎、根を取り除きます。和歌山だいこん等の秋だいこんは、9月になってから播種します。 鎌で軽く耕起します。
 
3,4センチ間隔くらいに、指で穴を開けて、だいこんの種を播いて、覆土します。 鎮圧して、草を被せます。草を被せてから、鎮圧してもかまいません。
 
きゃべつの苗床つくりです。まず、草を刈ります。 草の種の混じった表土を削り取ります。
 
2,3センチ耕起します。 くわを使って、平らに鎮圧します。
 
キャベツの種をばら蒔きします。 横の土を掘って、種が見えなくなる程度に覆土します。
 
乾燥を防ぐために鎮圧します。 草を被せます。
 
種まきが、すこし遅れているので、早く発芽させるために、水をたっぷり撒きます。適期に播種していれば、水撒きは不要です。 前日、室生山荘で出た、生ごみを畑に返します。ごぼうとにんじんの間に生ごみを撒きます。
 
見た目が汚いのと、カラスなどに荒らされないように、草を被せておきます。 だいこん、にんじん等に、補いに油粕、ぬか半々を撒きます。