川口由一さんの実地指導

2003年10月12日の指導の一部です。 

今日は、稲刈りの実習です。この水田は、8月の集合日に最終の除草をしましたが、今年は9月中ごろまで高温が続いたためか、溝そばが所々稲より高く茂り、この水田を先に稲刈りすることにしました。稲刈りの時期は、稲穂の3分の2くらいが枯れた状態で、また、株の3分の2くらいがそのような状態で、なおかつ、田全体の3分の2くらいがそのような状態になった時期が刈り時です。早稲種で10月20日くらいがその時期です。この日は、稲刈りには早すぎますが、実習のために行いました。
本当は、稲穂がすべて枯れて、完熟させた状態が一番いいのですが、稲穂が折れて脱穀しにくい、脱粒が多くなる等の理由で上記の刈り時がベストです。
刈った稲の束の置き方ですが、株の大きさによって、2株から3株を1回に刈り、写真の笹枝のように扇型に左右を先に最後に真ん中を置きます。1束は6株から9株になります。
3列づつ刈っていきます。 別の列を刈った時は、写真のように、置いた稲束の間を人が通れるように間を空けて並べていきます。農作業は単純作業で、後の作業のことを考えて段取りよくすることで、大幅に作業時間が短縮されます。
 
 
わらを4本くらい、隣の束に重ならないように、ななめに置いていきます。 くくるわらの持ち方は、右手に根元、左手に先の方を手の平を上にして持ちます。
 
右手を手前にして、上からくくり下で右手を放し左手だけでで持って、回転させます。写真と逆方向の稲束の場合は、右手を放す必要はありません。 わらの先の方を持った左手は固定して、右手で持った根元の方を1回転させます。
 
最後に、親指でわらの下に入れ込みます。 稲木の立て方です。立てる方向(南北)に掛ける丸太棒を置いて、支柱を適当な間隔で並べておきます。
 
仮に支柱を挿していきます。支柱はハの字型の間隔に挿していきます。 支柱を打ち込んでいきます。
 
 
端の支えの支柱を打ち込みます。 丸太を乗せてから、支柱をわらでくくります。
 
稲を乗せて、高さが適当かみます。30cmから50cmあればOKです。 反対の端の方の支柱をくくります。丸太は乗せるだけでわらでくくる必要はありません。
 
稲を乗せていきます。1束を2:1に左右に分け、左右交互に少ない方を手前に乗せていきます。ぎっしり詰めていきます。 端の方は、外れないように、稲で結びます。
 
最後に、すずめ避けに糸を張ります。 小麦の種まきです。小麦の播種時期は10月下旬が適期で、この日は早すぎますが、実習のために行いました。1反当たり8升の分量を播きます。
 
種を播いた後、丁寧に草刈りを行います。特にからすのえんどう芽はきっちりと除草しておきます。 白菜の除草です。
 
草は根元から刈るのでなく、5cmくらいの高さで刈るようにします。根元から刈ると虫にやられやすくなります、 キャベツ、ブロッコリー、だいこんの除草です。
 
同じく、根元から除草はしません。 みぶなの植え付けです。お正月に室生山荘でいただく予定です。市販の苗ですが、1ポットに2株ありましたので、1株に分けて植え付けました。前日雨が降ったので、そのまま植え付けましたが、土が乾燥している場合は、植穴に水を入れてから植え付けます。
 
最後に、補いに油粕、ぬか半々を撒きます。 タマネギの苗床の除草です。苗床の場合は手抜き除草します。