川口由一さんの実地指導

2009年10月11日の指導の一部です。

稲刈りの実習です。この日は、稲刈りには少し早目ですが、実習のために行いました。稲刈りの適期ですが、稲穂の茎の部分が先端から3分の2くらい枯れてきて、株の3分の2がそのような状態で、なおかつ、田全体の3分の2がそのような状態になった時が適期です。本当は、すべて枯れて完熟したものが一番いいのですが、脱穀するときに穂が折れてうまく脱穀できませんので、適期に刈るようにします。 黒米の場合は、籾が紫色から枯れた色に変わるので、籾の色でも判断できます。
 
稲株を写真のような位置に順手で持ち、鋸鎌ですぱっと切ります。写真の黒米の場合は、稲の背丈があまり高くないので、地面すれすれの茎の部分を切ります。背丈の高い稲の場合は、もっと上の部分を切るようにします。 稲刈りは、右利きの場合、3列ないし4列を右から左に刈って、体の左側に刈った株を置くようにします。農作業は単純作業の連続ですので、無駄な動きをしないようにします。株の大きさによって、1回に2株あるいは3株を刈って、左側に置きます。。
 
写真の場合は、株が大きいので1回に2株を刈っています 2回目に刈った株を1回目に刈った株にクロスして置きます。
 
3回目に刈った株をその真ん中に置きます。これで1束とします。 2列目は、後の作業ができるよう、1列目と30〜40cm間をあけて並べてます。
 
2列目完了。 結束用の藁を3〜4本斜めに置いていきます。
 
結束です。藁の茎の方を右手に、穂先の方を左手に手のひらを上にして持ちます。
 
右手を手前に上から被せます。 そのまま、ひっくり返します。
 
時計回りに絞めつけます。 右手を交差させます。
 
左手は固定したまま、右手を離して持ち直します。 親指で押し込む部分を押さえつけてへこませます。
そこに親指で押し込みます。 できあがりです。
 
はざ掛けするときは、束を2対1に分けて掛けます。 結束が終わった稲束をはざ掛けしやすいように移動します。1度に10束ほど持って作業の効率を図ります。
 
稲木は、稲がよく乾燥するように南北の方向に立てます。 仮に立てます。
 
稲木は平行に立てるのではなく、倒れにくいように、片仮名のハの字になるように立てます。 槌で打ち込みます。
 
縄で結束します。
 
端に支えの杭を打ちつけます。
 
支えの杭も結束します。 はざ掛けです。稲束を1対2に分けて、1を手前に左右交互に掛けていきます。
 
左右交互に掛けることによって、4方向に別れて、乾燥が図れます。
 
2人で作業する場合は、1人が稲束を1対2に分けて手渡すようにします。 端の方は、ゆるまないように、3,4束を括るようにします。
 
最後に、すずめ除けに糸を張ります。
 
完了です。川口さんの巻向では、この方法ですずめの害は防げるそうですが、地域によっては、これではだめなところがあり、その場合は、ネットを掛ける必要があります。
 
稲を刈った後にチンゲンサイのばら播きです。 種を播いた後に、丁寧に草刈りをし、冬草をきっちり刈るようにします。草を刈ることにより、適当に覆土がなされます。麦、小麦も同じ方法で種まきします。
 
実習畑がイノシシに荒らされました。 ホウレンソウ、菊菜等が被害を受けました。白菜を補植して修復しました。