川口由一さんの実地指導

2011年10月9日の指導の一部です。

稲刈りの実習です。稲刈りの適期ですが、1本の稲穂(籾)部分の茎の先端部分から3分の2が黄土色に枯れてきて、1株の稲穂の3分の2がそのような枯れた状態で、なおかつ水田全体の3分の2がそのような枯れた状態になった時が、稲刈りの適期です。
それ以上遅れると、稲藁に元気がなくなり、うまく脱穀できませんし、脱粒しやすくなります。稲藁に元気があるときに収穫するようにします。
実習田の稲の状態を見ると、10月末くらいが稲刈りの適期ですが、昨年イノシシで全滅しましたので、その対策ですべて刈るようにしました。

右利きの場合、左手で稲株を掴みますが、親指が下になる逆手と、親指が
上になる順手があります。通常の草刈りは、逆手で行いますが、稲刈りの
場合は、順手で行う方が作業がはかどります。
稲株の写真のような位置を、順手で掴んで、鋸鎌で一気に切り取ります。
 
3列あるいは4列を右から切り取って、左側に置きます。 2株あるいは、株が小さければ3株を切り取って、左側に置きます。
 
次に2株あるいは3株を刈って 交差させて置きます。
 
さらに、2株あるいは3株を刈って 交差させた真ん中に置きます。これで1束になります。
 
このように扇型に交差させて、置きます。これで1束です。 3,4列刈り終わったら、次の列にすすみます。
 
後の作業を考えて、人が通れるように稲束を置いていきます。 結束用の稲藁を4本を目安に稲束の上に置いていきます。
 
他の稲束と交差しないように、斜めに置いていきます。 稲束の括り方です。手のひらを上にして、右手は稲わらの根元の方、左手は
先端の方を持ちます。
 
右手を手前に、上から被せます。
 
ひっくり返して、 時計回りに、締め付けます。
 
左手で固定したまま、右手を入れ替えて、さらに時計回りに締め付けて、 親指で押し込みます。
 
出来上がりです。 稲束は、このように2:1分けて、はざ掛けします。
 
はざ掛けするため、稲束を、小脇に抱えて移動します。
 
稲木を用意します。立てる方向はよく乾燥するように南北方向です。 足は、稲木と平行に立てるのではなく、倒れにくいように、片仮名のハの字に
なるように立てます。
 
槌で打ち込みます。 縄で結束します。
 
支えを打ち込んで、結束します。 稲束を1:2に分け、1を手前に交互に掛けていきます。
 
2人で作業する場合は、1:2に分けてもらい、掛けるようにします。 端の方は、数本の茎を結んで、ゆるまないようにします。
 
最後に、スズメ除けに糸を張ります。民家の近くや竹やぶの近くでは、スズメ
が多いので、この方法では駄目で、ネットが必要です。
完了です。ここ赤目では、1カ月くらい乾燥させます。海辺の近くでは、風が
強いので、短期間の乾燥で済みます。
 
はだか麦の種まきです。草の上から播きます。播く量は、1反当たり8升
(100u当たり8合)です。今月実習で播いていますが、適期は11月です。
種を播いた後、足元の草を丁寧に刈ります。足元の冬草(特にカラスノエンド
ウ)の生育を止めます。作業はこれ1回だけで6月の収穫まで、後はなにも
しません。
 
ゴマの脱穀です。先月収穫して、干しておいたゴマです。 ござを被せて、槌で叩いて、実を落とします。
 
少し、実が残っていますので、袋の中で叩いて実を落とします。 大きな殻は、手で取り除きます。
 
箕を使って、小さな殻を飛ばします。(ミドリする。)
 
キャベツの苗の植え付けです。株間40cmくらいに鋸鎌で植穴を掘ります。 植穴に水を注いでから植え付けました。
 
イチゴの苗取りです。収穫が終わって、苗取り用に2株植えていた株から、
たくさんのランナーが出て、たくさんの苗ができています。
親株からランナーが出て、子株ができ、さらにその子株からランナー出て、
孫株ができます。子株は、実なりが悪いので、孫株、ひ孫株を移植します。
 
通常は9月末くらいに、15センチ間隔くらいに植え付けて、株の肥大をはかり、
11月末から12月初めに本田(ほんでん)に植え付けます。
フキの植え付けです。鋸鎌で植穴を掘ります。
 
フキの地下茎を地面と平行に植え付けます。