川口由一さんの実地指導

2007年4月8日の指導の一部です。

お米の苗代の作り方です。ここは、2週間後の臨時集合日に苗代を作る予定の場所ですが、前もって、モグラ除けの溝を掘っておきます。理由は、この日の前日にかなりの雨が降りましたが、覆土用の土が湿りすぎていたら、使い辛いので、前もって掘り上げ、覆土用の土を確保するためです。 小麦が生えていますが、もったいないですけど、刈ってしまします。刈った小麦の葉は、苗代の敷草に使います。
 
溝を掘るため、スコップを入れます。 スコップ幅くらいの溝を掘ります。
 
溝の土を、掘り上げ、積んでいきます。表層の土には、夏草の種が混じっていますので、表層より下の土を覆土にします。前もって、掘り上げておくと、土がホロホロになって、覆土がしやすくなります。 籾の水選です。籾を水につけます。籾の量ですが、筋間40cm、株間25cmで苗1本植えの場合で、1反(1,000u)当たり、6合の籾で十分の苗が確保できます。また、籾おろしの時期ですが、奈良県近辺では、4月の中旬から下旬くらいで、4月20日頃が適期です。この日は、籾おろしには早すぎますが、実習のため行いました。2週間後の臨時集合日が籾おろしには適期です。なお、生育期間の短い早生種の黒米、赤米、陸稲などは、5月の集合日に籾おろししても大丈夫です。
 
この籾は、晩生種のトヨサトです。 浮いた籾は取り除きます。塩水選という方法もあり、もっと籾が浮きますが、塩害が考えられ、この水選で十分だそうです。
 
沈んだ籾だけを、ざるに取って、乾燥させておきます。 この日は、この場所に苗代を作ります。苗代の広さは、1反(1,000u)当たり、1.2m×18mです。昨年までは、1.4m幅といっておられましたが、除草作業のしやすさから、1.2m幅に修正されています。また、籾の量も、反当たり7合から6合に修正されています。
 
草を刈ります。 表層の土には、夏草の種が混じっています。表面の草とともに、2、3cm削り取ります。
 
同 夏草の種を、きっちり削り取ることにより、後の除草作業が楽になります。 表面を平らにならします。
 
くわを使って鎮圧します。 でこぼこがあれば、覆土が均一にならないので、きっちり平らに鎮圧します。
 
籾を播きます。手のひらで籾を踊らすようにして播きます。 3cm間隔くらいになるように、ひっついている籾を離します。
 
しっかりした、よい苗を育てるため、丁寧に行います。 完了
覆土ですが、先ほど、2週間後の臨時集合日のために掘った土が、思ったほど、湿っていなかったので、その土を使うことにしました。 籾が見えなくなる程度に、覆土します。
 
覆土完了 乾燥を防ぐため、くわを使って、鎮圧します。
 
鎮圧完了 先ほど刈った、小麦の葉を被せます。
 
小麦の葉だけでは、足りないので、この場所で刈った、からすのえんどう等の草を20cmくらいに切って被せます。 完了
 
この日は草の上からも鎮圧していました。(乾燥を防ぐため?) 最後に、すずめ、ねこ等の小動物除けのために、笹を被せておきます。時間の都合で、もぐら除けの溝は掘っていません。なお、すずめの多い地方では、すずめ除けにネットが必要になります。
 
やまと芋の植え付けです。種芋を4つに切ります。 このサニーレタスは、来月、室生山荘の食材に使用しますが、その間に植え付けます。
 
切り口が湿らないように切り口を立てて植え付けます。 芋の大きさの4cmくらいの覆土をして植え付けます。収穫したら、室生山荘で、麦とろにして、食べるそうです。なお、やまと芋はつる性で、支柱がいります。
 
里芋の植え付けです。紐を引っ張ります。 株間40cmくらいに、草を刈ります。
 
スコップで、スコップ幅に四角に穴を掘ります。 里芋は、種芋の上に親芋ができ、親芋の上に子芋ができるので、通常は土寄せを行いますが、耕すことになるので、このように穴を掘って深植えします。
 
植え付け
 
最後に草を被せておきます。芽が出てきたら、掘り上げた土は戻していきます。