川口由一さんの実地指導

2012年4月8日の指導の一部です。

今日は、お米の籾おろし、苗代の作り方の指導です。籾おろしの時期ですが、大和盆地では、4月20日から4月いっぱいにかけてが適期です。
今、水田では、冬の麦・小麦が植わっていますが、夏のお米と2カ月間、生育期間が重なります。田んぼの一角で、苗代を作って2ヵ月間、稲を育てます。
赤目自然自然農塾では、岡苗代(畑苗代)といって、水なしの畑状態で苗を育てます。岡苗代の方が、水の管理がいらない。より強靭な苗が得られる。等の長所があります。反対に、すずめに食べられる、オケラに食べられる、モグラに荒らされるなどの短所があります。
まず、籾種の量ですが、1反(1000u、10a)当たり、5合です。100u(1a)当たりだと5勺です。それに対する苗代の大きさは、1反(1000u、10a)当たり1.2m×20mです。100u(1a)当たりだと1m×2mです。1.2m幅は、除草作業をする時に両方から手が届く長さで1.2m幅にします。

まず、種籾を水選します。水を張ったバケツに必要量よりやや多い目に種籾
を入れます。
水に浮くものは捨てて、沈んだものだけを使用します。
 
ざるに上げて、水を切っておきます。 裸麦が植わっています。もったいないですが、苗代を作るため、必要な面積を
刈ります。この日は、1m×2mの苗代を作りました。刈った麦、草は、最後に
苗代の被覆に使いますので、夏草の種が混じらないように、地上部から5cm
くらい上を刈っています。
 
脱穀後に振り撒いた藁を取り除きます。 クワを使って、いま生えている草、夏草の種を取り除くため、3〜5cmくらい
削り取ります。
 
凹凸を修正して、平らにします。
 
宿根草(よもぎ等)の根があれば、取り除きます。 覆土が、均一にできるよう、クワの裏面を使って、平らに鎮圧します。
 
種を播きます。手のひらで躍らすようにして、指の間から落ちるようにします。
 
籾と籾がひっついているものは離し、2,3cm間隔になるようにします。 完了です。
 
もぐら除けに、溝を掘りますが、その溝の土を覆土に利用します。溝の掘り方
ですが、まず、右側にスコップの刃を入れて、
次に、スコップ幅に左側にスコップの刃を入れて、
 
スコップ幅の土を掘り上げます。 掘り上げた、表面の土は、夏草の種が混じっているので避けて、5cmくらい
下の土だけを覆土に使用します。
 
覆土しやすいように、細かく砕きます。この土は、少し湿りすぎで、団子状に
なって覆土がしにくい状態でした。前もって、溝だけ掘っておいて、掘り上げた
土を乾燥させておけば、覆土しやすい土が確保できます。
籾が見えなくなる程度に土を被せます。覆土が厚すぎると酸素不足で発芽
しませんし、薄すぎると乾燥して発芽しません。
 
もぐら除けの溝を掘っておきます。 乾燥を防ぐため、最初に刈り取った、麦・青草を撒きます。
 
乾燥を防ぐため、くわの裏面を使って、草の上から、覆土を鎮圧します。
(普通は、覆土をしたあとに、覆土を鎮圧しますが、この日は、覆土が湿り過ぎ
で、クワで鎮圧すると、くわの裏に土がひっついてうまく鎮圧できないので
、草の上から鎮圧してます。)
すずめ、小動物除けに笹等を被せます。
 
最後に、すずめ除けに、糸を張って完成です。 里芋の植え付けです。株間50cmくらいに、鋸鎌で20cmくらいの深さに植穴
を掘っていきます。いま生えている菜っ葉の種取りをするので、菜っ葉は刈らず
に残します。
 
20cmの深さに種芋を植え付けて、3cmくらいの覆土をして、 草を被せました。芽が出てくれば、さらに土を被せます。生長して、小芋が見え
るようであれば、小芋が太りませんので、土寄せするようにします。
 
この時期の、畑の手入れです。キャベツの手入れです。半分だけ除草します。 イチゴの手入れ。半分だけ除草します。
 
えんどう。2段目に藁をくくり付けています。 ごぼうの補い。ぬか、油粕半々を撒いています。
 
果樹の植え付け。落葉樹は、12月から1月、2月にかけて、常緑樹は4月が
植え付けの適期です。常緑樹のみかんの植え付けです。
植穴を掘ります。
 
ポットから取り出して、土を落とします。接ぎ木の接いだ部分のテープをはずし
ます。植える位置は、接いだ部分が地上部に出るように植え付けます。
根は、生えてる方向に広げて土を被せていきます。
 
湿り気に弱いので、周りより少し高く植え付けます。 支えの杭を打ち付けます。
 
紐で結束します。 草を被せて完了です。