川口由一さんの実地指導

2013年4月14日の指導の一部です。

今日は、お米の籾おろし、苗代の作り方の指導です。たくさんの方が来られ
ました。
川口さんは、この日、足の具合がお悪かったので、腰を掛けての指導でした。
夏作にお米、裏作に麦・小麦。お米は水を好み、麦は畑状を好むという性質
の正反対のものを1枚の田んぼで両方育てます。
今、水田では、冬の麦・小麦が植わっていますが、夏のお米と2カ月間、生育
期間が重なります。
田んぼの一角で、苗代を作って2ヵ月間、稲を育てます。

まず、籾おろしの時期ですが、大和盆地では、4月20日から4月いっぱいに
かけてが適期です。
お米の品種については、夏の期間の長い所は晩生種、夏の期間が短い所は
早生種とその地方の気候に応じて選びます。
ここ赤目では、イノシシ、さるの害から守るため、早生種でノギのある赤米を
選択しています。
 
赤目自然自然農塾では、畑苗代といって、水なしの畑状態で苗を育てます。
畑苗代の方が、水の管理がいらない。より強くたくましい苗が得られる。等の
長所があります。苗は2ヵ月間水なしで健康に育ちます。
まず、籾種の量ですが、100u(1a)当たり5勺(0.5合)です。それに対する
苗代の大きさは、100u(1a)当たりだと1m×2mです。
今回は、1m×2mの苗代を作りました。メジャーで長さを計っています。
種籾を水選します。水を張ったバケツに必要量よりやや多い目に種籾を入れ
ます。塩水選という方法もありますが、水選で充分です。
 
バケツに籾を入れます。 水に浮くものは捨てて、沈んだものだけを使用します。ざるに上げて、水を切っ
ておきます。
 
裸麦が植わっています。もったいないですが、苗代を作るため、必要な面積を
刈ります。この日は、1m×2mの苗代を作りました。刈った麦、草は、最後に
苗代の被覆に使いますので、夏草の種が混じらないように、地上部から5cm
くらい上を刈っています。
草刈り完了。
 
クワを使って、いま生えている草、夏草の種を取り除くため、3〜5cmくらい
削り取ります。
 
もぐらが走っていて凹凸なので、少し耕起して凸凹を修正し、平らにします。
 
宿根草(よもぎ等)の根があれば、取り除き、平らに均します。ます。 完了です。
 
覆土が、均一にできるよう、クワの裏面を使って、平らに鎮圧します。 種を播きます。手のひらで躍らすようにして、指の間から落ちるようにします。
 
一度に多く播くのではなく、2,3周して播くようにします。 籾と籾がひっついているものは離し、2,3cm間隔になるようにします。
 
完了 もぐら除けに、溝を掘りますが、その溝の土を覆土に利用します。
 
掘り上げた、表面の土は、夏草の種が混じっているので避けて、5cmくらい
下の土だけを覆土に使用します。
もぐら除けの溝の掘り方ですが、まず、左側にスコップの刃を入れて、
 
次に、スコップ幅に右側にスコップの刃を入れ スコップ幅の土を掘り上げます。
 
覆土は、籾が見えなくなる程度に土を被せます。覆土が厚すぎると酸素不足
で発芽しませんし、薄すぎると乾燥して発芽しません。
覆土、完了です。普通は次に、クワの裏面を使って乾燥を防ぐために鎮圧しま
すが、土の湿りでクワの裏面に土がひっつくため鎮圧はしませんでした。
 
乾燥を防ぐため、最初に刈り取った、麦・青草を撒きます。 完了
 
こちらの実習では、乾燥を防ぐため、くわの裏面を使って、草の上から、覆土
を鎮圧しています。
すずめ、小動物除けに小枝を被せます。
 
完了です。 畑の手入れです。これは、空豆の除草です。
 
チシャの手入れです。
 
先月、ばら蒔きした菊菜の手入れです。菊菜の芽が出ています。除草は、
草の茎を残さないように丁寧に刈ります。
補いに、ぬか・油粕半々を撒きます。
 
菊菜の葉の上にかかったぬか・油粕を、払い落して完了です。