実地指導

2017年4月9日の指導の一部です。 

この日は、お米の籾おろし、苗代の作り方の指導です。籾おろしの時期は、大和盆地では、4月20日から4月いっぱいにかけてが適期です。 

赤目自然自然農塾では、陸(おか)苗代(畑苗代)といって、水なしの
畑状態で苗を育てます。陸苗代の方が、水の管理がいらない。より強く
たくましい苗が得られる等の長所があります。苗は2ヵ月間水なしで健康に
育ちます。苗代の場所は、田んぼの中で、日当たりがよく、湿り過ぎず、
乾燥し過ぎず、また、できれば、少し高い所(苗を土付きで取り出すので、
低くなるため。)を選びます。
お米の種籾は、近年、イノシシの被害が多いため、イノシシの嫌がる
ノギのある赤米のもち(早生〜中生)を用意しました。
種籾の量ですが、条間40p×株間30pの場合で、100u(1a)当たり
5勺(0.5合)です。
 
赤米の種籾は手でよくもんで、ノギを外してから量を計るようにします。
今回は、2m×1mの苗床を作るので、5酌の種籾を計ります。
種籾の水選です。水を張ったバケツに種籾を入れます。、塩水選という
方法もありますが、水選で充分です。
 
浮いた籾は取り除きます。

 
沈んだ籾をざるに取って 乾燥させておきます。
 
苗代の大きさは、1反(1000u)当たり20m×1m、100u(1a)当たりだと
2m×1mです。田んぼの面積の50分の1になります。
この場所は、2m×1mの苗代を作ることにしました。
2m×1mをメジャーで測り、竹の棒を目印に立てておきます。
苗代周辺の草を刈ります。
 
苗代の大きさ(1m×2m)に沿って、鋸鎌で切り込みを入れます。
クワを使って、いま生えている草、夏草の種を取り除くため、3〜5cmくらい
表面を削り取ります。
 
表面を削り終わったら、次に、2,3センチ耕起して、  宿根草等の根を取り除きます。
 
宿根草等の根を取り除きつつ、平らに均します。 覆土が、均一にできるよう、クワの裏面を使って、平らに鎮圧します。
オケラの被害があるところでは、その対策として、強く鎮圧するようにします。
 
種籾を播きます。手のひらで躍らすようにして、指の間から落ちるようにしま
す。一度に多く播くのではなく、2,3周して蒔くようにします。
籾と籾がひっついているものは離し、3cm間隔くらいになるようにします。
 
覆土をします。覆土は、種籾の厚さが基本で、籾が見えなくなる程度に
土を被せます。覆土が厚すぎると酸素不足で発芽しませんし、薄すぎると
乾燥して発芽しません。
覆土の土は、溝の土を使いますが、前日からの雨で湿りすぎているので、
前日に湿り気の少ない土を用意しました。
 
もぐら除けの溝を掘ります。張った紐に沿って、まず右側にスコップの刃を入
れます。
次にスコップ幅に、左側にスコップの刃を入れます。
 
左右にスコップの刃を入れたら、土をブロック状に横に積み上げていきます。 通常は、この土を覆土に利用します。掘り上げた表面は、夏草の種が
混じっているので避けて、下の方の土だけを覆土に使用します。
 
覆土完了です。 覆土が終わったら、次に、乾燥を防ぐため、クワの裏面を使って鎮圧します。
 
次に乾燥を防ぐため、青草を被せます。 青草が足りなかったので、藁をその上から被せました。
 
小動物、スズメ除けの対策です。すず竹を敷いて 周りに、鳥除けの糸を張って
小枝等を被せて完成です。 里芋の植え付けです。
 
モグラの穴が縦横に走っていたので、モグラ穴を鎮圧してつぶしました。 溝が浅くなって、モグラが入りやすくなっていたので、溝を修復しました。
 
里芋の種芋(愛知早生)を株間50cmくらいに、3条にちどりに植え付けます。 種芋の厚さくらいの深さに、芽を上向きに植え付けます。
 
植え付け完了。 最後に、草を被せて完了です。
里芋は、種芋の上に親芋、その上に子芋が付き、そのままだと子芋が
肥大しませんので、土寄せが必要になります。発芽して、茎が伸びた頃に
土寄せを行うようにします。