実地指導

2018年4月8日の指導の一部です。 

この日は、お米の籾おろし、苗代の作り方の指導です。籾おろしの時期は、大和盆地では、4月20日から4月いっぱいにかけてが適期です。

昨年の秋に播種した、麦の生育状況です。手前は裸麦で、奥の方が
小麦です。
裸麦の方は、穂が出かけています。例年、この時期に穂を見ることは
なかったですが、かなり早い出穂です。
 
赤目自然自然農塾では、陸(おか)苗代(畑苗代)といって、水なしの
畑状態で苗を育てます。陸苗代の方が、水の管理がいらない。より強く
たくましい苗が得られる等の長所があります。苗は2ヵ月間水なしで健康に
育ちます。苗代の場所は、田んぼの中で、日当たりがよく、湿り過ぎず、
乾燥し過ぎず、また、できれば、少し高い所(苗を土付きで取り出すので、
低くなるため。)を選びます。
この日は、1m×1.6mの苗代を作ることにしました。
1m×1.6mをメジャーで測り、竹の棒を目印に立てておきます。
次に、苗代を作る箇所の草を刈ります。この場所は、小麦が植わって
いましたが、実習のために小麦を刈りました。
青草刈り完了です。刈った青草は、苗代の被覆に使用しますので、
夏草の種が混じらないように、地面から5センチくらい上を刈りました。
 
もぐら除け、覆土用の土の確保のため、溝を掘ります。まず、紐を張って、
紐に沿って、後ろに下がりながら、スコップの刃を入れます。
反対側にスコップ幅に刃を入れます。
 
掘り上げて、横にブロック状に並べていきます。 2週間後にも、この場所に苗代を作りますので、その分も含めて、
溝を約4m掘りました。
 
お米の種籾は、昨年までイノシシの嫌がるノギのある赤米のもち米
(早生〜中生)を播いていましたが、今年は、さらにノギが強力で、
カメムシの食害にも強い、籠(この)神社の御神米
(赤米(もち米)(中・晩生))を用意しました。
種籾の量ですが、条間40p×株間30pの場合で、100u(1a)当たり
5勺(0.5合)です。
苗代の大きさは、1反(1000u)当たり20m×1m、100u(1a)当たりだと
2m×1mです。田んぼの面積の50分の1になります。

種籾は手でよくもんで、ノギを外してから量を計るようにします。
苗代の大きさに見合った、種籾の分量を計ります。水選するときに、
浮いた籾は捨てるので、少し多めに。
 
種籾の水選です。水を張ったバケツに種籾を入れます。、塩水選という
方法もありますが、水選で充分です。

浮いた籾は取り除きます。
 
沈んだ籾をざるに取って、乾かしておきます。
 
苗代の大きさ(1m×1.6m)に沿って、さし棒を当て、鋸鎌で切り込みを
入れます。
 
草丈が高かったので、再度、地面すれすれに草を刈りました。この草は、
夏草の種が混じっているので、最後に、苗代の肩に被せました。
クワを使って、いま生えている草、夏草の種を取り除くため、3〜5cmくらい
表面を削り取ります。
 
宿根草等の根を取り除きます。
 
次に、2,3センチ耕起します。、 さらに、宿根草等の根を取り除きつつ、平らに均します。
 
覆土が、均一にできるよう、クワの裏面を使って、平らに鎮圧します。 同 オケラの被害があるところでは、その対策として、強く鎮圧する
ようにします。
 
覆土用の土を用意します。
溝土をブロック状に掘り上げた、草の種の混じっていない底の箇所を、
鋸鎌で削り取って、覆土にします。
種籾を播きます。手のひらで躍らすようにして、指の間から落ちるようにしま
す。
 
一度に多く播くのではなく、2,3周して播くようにします。 籾と籾がひっついているものは離し、3cm間隔くらいになるようにします。
 
覆土をします。覆土は、種籾の厚さが基本で、籾が見えなくなる程度に
土を被せます。覆土が厚すぎると酸素不足で発芽しませんし、薄すぎると
乾燥して発芽しません。
この日は、用意した覆土が湿り気が多かったので、ダマになりやすく、
荒目の篩も使用しました。
覆土完了です。
 
通常は、乾燥を防ぐため、クワの裏面を使って鎮圧しますが、土が
湿っていて、クワの裏面に土が引っ付きそうなので、手の平で鎮圧しました。
次に乾燥を防ぐため、青草を被せます。
再度、乾燥を防ぐため、草の上から鎮圧しました。 削った土を積んだ肩も、オケラの徘徊を防ぐために強く鎮圧しました。
 
小動物、スズメ除けの対策に小枝を被せます。 周りに、鳥除けの糸を張って
 
周りにも草を被せて、完成です。